朝夕はすっかり寒くなってきましたので、半分衣替えをしました。 何故半分か?昼間は歩くと汗をかくからです。 上掛け布団も、掃除のおばさんが見るに見かねて(?)夏掛けから冬物に変えて、毛 布を引っ張り出してくれ、安眠できるようになりました。 そうこうしている内に、上海万博も予定通り目標を達成して終わりを告げました。 さすが計画経済になれた国です。 まず、万博終了後の街角風景報告をします。 1、交通渋滞の緩和  まず地下鉄が、ずいぶん空いてきた。 もちろん、空席があるというほどではないが、押し合いへし合いはなくなった。  郊外に出入りする高速道路も空いた。 万博期間中は、大型観光バスが隙間無く往来しており、それが料金所でも割り込むの で事故は絶えなかった。 先週からは、観光バスが全く見えなくなった。 高速道路の上海入り口の、検問所も無くなったのも効果が大きい。 2、地下鉄のX線検査は形式続行中  地下鉄の改札入り口で行っていた、]線による危険物検査は継続している。 ただし、形式だけ。 万博期間中は、]線検査機の入り口の誘導員とモニター検査員2名、そして、ハンド バックのような小型の携帯物検査員で合計4名はいた。 それが駅の両端入場口に2組、さらに交代要員も含めれば1駅に16名が必要だった。大 きな駅ならその数倍は必要だったが、今は一組2名〜3名で形式的に行っているだけ。  よく見ると、荷物を、検査機を通さないで入場する者がずいぶんいる。 私も試しに、パソコン入りのバッグを無検査で入場しても、とがめられなかった。 モニターによる検査員も、ほとんど見ていない。 全く意味の無い]線検査であり、爆弾の持ち込みは簡単である。 万博終了によって増える失業防止対策事業である。 だから、検査員も気合が入らないのであろう。 この事業だけで、1万人ぐらいは救済されている。 そういえば、街の清掃夫と交通指導員が急増した。 これも万博会場から、街に出てきたのであろう。 万博後の、失業による政府「抗議デモ」を防ぎたいという意思が見える。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 抗議デモといえば、尖閣のビデオ流出事件による反日デモが日本で心配だそうだ。 家内から電話あり「大変なビデオが流出し、中国は危険なことになりそうだとTVで 言っているので注意して」とのこと。 そのことを、上海人数人に話したら、「騒ぐのは貧乏人だけで関係ないよ」「どんな ビデオが出ようとも中国政府の態度は変らないよ。中国の領土内の事故だからね、ど ちらが悪いかは無関係」とのこと。 やはり、領土問題は国の根本。国交正常化時に決着をつけるべきだった。 ケ小平氏の「この決着は孫子の代に」の甘言に乗った日本の大失敗である。 当時の、中国の困窮事情からいえば、島のいくつかは渡してでも絶対に国交正常化を したかったはずであるし、当時は尖閣など眼中になかった。 まあ、上海の街は静かなもので、明らかに日本人である私を見る態度も変らない。 アパートのガードマンも床屋のアンちゃんも、市場のおばちゃんも、手を上げて「や あ、元気か!」と言っている(ようだ)。 地下鉄でも、私が日本人だと知りながら、ちゃんと席を譲ってくれる。 日本の報道では、中国のことを、何か恐れおののいているようだが、そういう一面だ けで捉えてよいのかと疑問。 誤解なきように願うが、私は、親中派でも媚中派でもない。 中国にある、困った日系企業や総経理(社長)の応援をしたいだけで、中国にいる。 しかし、中国および中国人のことは誰よりも学んで、理解しているつもり。 だから、困ったときに助けてくれる中国人の友人知人は多数いる。 中国の悪しきこと、日本の悪しきことと主張は包まずに話している。 日本では、中国から、東南アジア諸国へ脱出する日系企業がたくさんあるとも報道し ている。それを反日騒動と繋げるメディアもいるが、それは間違いである。 それが証拠に、90%以上の日系企業が中国に残りがんばっているし、多くが儲けさせ ていただいている。 また脱出した企業数以上に、未だ中国進出と投資が続いている。 中国を脱出した企業の、理由の多くは3つ。 1、労働者の賃金が高騰して困った。  中国進出目的は低賃金だけ? それなら何処へ行っても、いずれはそこを脱出する必要が出るだろう。 どの国も発展成長を望み、生活向上を実現している。 かつての日本とアメリカの関係を考えれば同じこと。 2、今の若い中国人は、反日教育で固まっており使いにくい。  反日の若者は、最初から入社しないし、応募されても入社を断ればよい。 仮に反日派を採用しても、総経理(社長)の魅力で親日派に変えさせればよいこと。 一度でも日本へ行った中国人の大半は、親日派となっている。 せっかく、日系企業に勤めたのに同じ気持ちにすることができないのだろうか? 中国および中国人のことを勉強しない総経理には無理な注文か。 3、中国人は直ぐに辞めるから困る。  確かに、3年以上経つと、残るのは10%しかいないという統計がある。 しかし、全員が永年勤続者になったら、労務費の高騰で困るのは企業である。 一般的に、企業内で30%の業務は、1日教えれば一人前になる。 残りの半分は1ヶ月で一人前になる。 さらに残りの半分は1年で一人前。 逆に3年以上勤めてもらって、やっと一人前となる仕事なんて、10%あるかどうかで あるといわれる。(もちろん、業種による差が大きいことは承知している) どんどん、新人(安月給者)に入れ替わることで助かっていたはずである。 日本でも、どんどん非正規労働者に入れ替えており、正社員が半分以下の会社が多数 ある。 問題は、残った10%の永年勤続者が、会社が残したいと意識した、優秀な社員かどう かである。日系企業の多くは、何処へも転職できない、使い物にならない社員が多く を占めていることが問題である。 そうならないようにするには、腰かけ総経理という制度をなくし、尊敬される経営者 を派遣すべきである。 次に、公平・透明な人事制度と教育制度の充実である。こう書くと自分のビジネスの 宣伝くさいのであまり書かないが、日系企業に欠けている大きな問題である。 努力した者と努力しない者、能力の高い者と低い者、この格差が小さいと不公平だと なる。そして、その制度と目標が明確でなければ不透明だとなる。 また、教育してくれない会社には居着かないのが中国人である。 研修を通じて、理念や方針を共有化することは極めて有益である。 これらが充実していない会社は、残したい優秀な者が辞めるのは当然である。 人事制度や社員教育は、自前ではできない会社が多いため、金がかかる。 それを親会社に決済を仰いだら(総経理決済でできないのもおかしな話だが)、親会 社から否認されるケースが多く、現状を打破できないで困っている。 親会社が、中国および中国人のことを知らないからである。 これでは、日本は中国を侵略し、搾取した悪い奴だという「反日教育」の裏づけを与 えているだけですよ。 なお、蛇足ですが、上記は日本人総経理・日系企業の全てではありません。 多くの総経理は、必死に勉強し親会社を説得し成果をあげています。 念のため。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 佐藤忠幸/Tadayuki Sato 佐藤中国経営研究所 E-Mail: tada-sato@mvb.biglobe.ne.jp SBF.HP::http://www.sbfnet.cn/ HR研究会HP:http://www.sh-hra.com/index.html ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~